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とんかつ通信(不定期刊行物) 第23号

編集・発行すずや店主(軽薄?敬白?)

<はじめに>

皆様こんにちは。お久しぶりでございます。
 お取引先の新しい担当者の方から「社長のブログ、次はいつ出るのですか?」と聞かれ、気分を良くしてようやく重い腰を上げて、久々の第23号を発刊する運びとなりました。(今考えるとこの担当者の方はお世辞で言ってくれたのかも知れませんね!?)

 さてなんだか急に冬が来てしまったような今日この頃では在りますが、風邪など引かぬように、元気に寒さを乗り切ってまいりましょう。

 「本日も数ある飲食店の中から私共「すずや」をお選びくださいまして本当に有難うございました。この厳しいご時勢、時節柄、ご来店心より厚く御礼申し上げます。
 今後も全てのお客様にご満足いただける事を目標に頑張ってまいりたいと思います。

 ご意見ご要望などがございましたなら、どうぞお気軽にお聞かせ下さいませ。よろしくお願いいたします。


<最近考えること>
〜・・・いつまで続くのか“最大”願望 巨大なショッピングモール出現!〜

敷地面積約8万坪、建物延べ床面積約11万坪、商業施設面積(二棟合計)約6.7万坪
駐車台数8200台、施設容積がなんと東京ドーム約5個分、と言うまさしく日本最大級のSC(ショッピングセンター)が埼玉県の南東部、JR武蔵野線新駅、越谷レイクタウン駅に隣接する形で開業しました。
 その大きさと言ったら何と表現したらよいのか?おそらく数字だけ見ても普通の方は想像もつかないと思います。
 高架上の駅ホームからでもその全容は見渡せないばかりか、駅から施設の中を歩いて端まで到達するのに有に30分以上はかかる、というとてつもないスケールです。

 商業の平屋形大型店舗で人類が苦痛無く歩いて買い物できる範囲が3500坪といわれる中、全部を一日でくまなく見ることはおそらく不可能です。
 イオングループが総力をあげて開発したこの巨大SC、電気自動車充電スタンド併設等最新の"エコ"をテーマに企画運営されてはいますが、「誰も、負けずにこれを上回る規模のSCをつくろう」なんて思わないで欲しいと思います。
 行く度にとにかく足腰が鍛えられます。

 ちなみに全部で専門店が565店舗、ありとあらゆる業種業態が顔をそろえスターバックスだけでも施設内に4店もあります。
 そして当社9店目の"とんかつ茶づけすずや越谷店"もMORI棟の1階に(もう1棟はKAZE)。
 もしこれからでも訪れた時歩きくたびれたら"すずやのとんかつ"でお腹を一杯にして後の英気を養ってください。お待ちしています。

 イオンレイクタウンHP http://www.aeon-laketown.jp
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<雑談>
〜<全てのプロセスを知ることで得た物>田植えから精米まで 農作業 初体験〜

お米屋であった祖父のDNAが芽生えているのか、ご飯、お米にはとても関心があります。
 昨今毎日のように世間を騒がせる食の安全問題を飲食業の立場から考えるにつけ、いずれすずやも使用主要食材を全て自社でコントロールしたい、中でもお米は直営農場で自分達の手で栽培したい、という夢があります。

 そんな思いもあって今年、春から秋に掛けて数回にわたり小田原、飯田にある知り合いの田や畑で農業ボランティアに参加させていただきました。
 新宿生まれの筆者としては初めての土いじり、農作業でした。

 参加してみてわかったことは、言うまでも無く"見る"のと"する"のとでは全くの大違いであるということ、そして農作業は中々の重労働であること、また「作物は"自然の恵み"」という本当の意味、等などでした。
 今までにも新潟県の魚沼などお米の産地に幾度も出かけたことがあります。そして農協の方やお百姓さんにお会いしてお話を伺ったり、田んぼに出て生育状況を確認したり、いわゆる"現場"も知っているつもりでした。
 しかし今回実際に自分で地下足袋を履いて、泥だらけになって田植えをし、生育を見守り、収穫を祈り、今度は手に鎌を持って刈り取り、束ねて、天日に干し、そして脱穀、籾殻取り、精米、釜炊き炊飯、おにぎり作り迄、という全てのプロセスに携わってみて、初めて"お米"というものの本当の理解が出来たように思います。

 そして自然の厳しさ、手塩に掛けたものへの愛情、農業の生産性、お百姓さんへの尊敬の念、命、感謝等々、普段都会生活の中で"結果"や"便利さ"だけを謳歌している身にとって、本当に多くの事を学ぶことが出来ました。

 

<とんかつやが選んだとんかつや>
〜とんかつやの原点を再認識 二子玉「とんかつ大倉」〜

日頃付き合いのあるデザイナーのFさんからメールが入り「とんかつが絶品」とのこと、じっとしていられず早速立ち寄ってみました。

 用賀、青葉台と当社の支店もある東急田園都市線、その沿線でも東京のはずれにありながら最も賑わいのある二子玉川駅。
 その駅前にある日本のサウスコーストプラザ(米国カリフォルニア州一の高級諸ピングセンターのこと、筆者の勝手な思い込みで"空気"が似ている)玉川高島屋の横をすり抜け、対照的に人通りもまばらな庶民的な商店街の中にそのお店はありました。入り口を開けると最初の印象はまさに"なんて事のない普通のお店"でした。
 しかしカウンター6席を含め26席の小さな店内は平日昼の二時過ぎにも拘らず約六割方のお客様で埋まっていました。
 調理場にはオヤジさんが一人、ホールにはご婦人が一人で、てきぱきとしていてとても活気を感じました。

 残念ながら"一押し"と聞いてきた"特ロースカツ定食 1300円"は既に売り切れでしたが、(聞いてみると毎日5〜6食限定とのこと)仕方なくランチではない1000円の"ロースカツ定食"を頼んでみました。

 頼んで約10分、手際の良い親父さんの身のこなしを見ているうちにテーブルに出てきた楕円深皿に盛られたとんかつ、一口添えられたポテトサラダに品の良さを感じます。
 早速肉の断面を見るとやや赤みが残ってジューシーな肉汁が滲み出ていてとても食欲を誘いました。
 肉には歯ごたえを感じましたが、圧巻なのはその衣、サクサクしているが、肉を直接包んでいる部分(通常溶き卵やバッター液、と言われ小麦粉等を水に溶いたものでパン粉をつなぎとめる役割がある)がカリカリととても食感がよいのです。
 おそらくこの硬さ=密度で中身の肉汁の流失を塞いでもいる、と思います。普通溶き玉では柔らかすぎて肉汁が出たり、パン粉が付きにくかったりする、バッター液ではパン粉は付けやすいが食感、風味に"自然さ"が出ない、となります。

 この店はその課題を見事に克服していました。店内にあった雑誌の切抜きには「付け玉(溶き卵)にお粥を混ぜている」との事、このアイデアには同業として深く頭が下がりました。
 もちろん美味しい漬物、御飯、お味噌汁、とあいまって、久々にチェーン店にはない頑固親父さんの意地?に支えられたとんかつやの原点を見せてもらったような気がしました。

 わが社も更に研究改善を続けます。

*「大倉」 東京都世田谷区玉川4-7-5 電話03-3700-2347 月曜休み

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第24号 –完–
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