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とんかつ通信(不定期刊行物) 第22号

編集・発行すずや店主(軽薄?敬白?)

<はじめに>

皆様こんにちは。約9日間に渡った"GW"もほぼ好天に恵まれながら無事終わり、この3月にオープンしたばかりのアリオ亀有店、秋葉原UDX店の2店舗も加わって、期間中約16000名という本当にたくさんのお客様にすずやをご利用ただきました。皆様ご来店誠にありがとうございました。
 近郊ではようやく目に青葉、新緑の美しい季節となってまいりました。世界的に続く異常気象や何が起こるかわからない世情の不安もありますが、せめて気持ちだけはしっかりと心身共に充実したすがすがしい毎日を送っていきたいものです。

ともあれきょうも数ある飲食店の中から「すずや」をお選びくださり本当に有難うございました。心から厚く御礼申し上げます。


<売れている本から・・・時代の潮流>
〜藤原正彦"国家の品格"がなぜ売れる??〜

既にご承知の方も多いことかと思いますが、昨年11月に新潮社から出版された"国家の品格"(タイトル堅いですよね)が遂に200万部を突破したとの事、「なかなか良い本だ」と噂を聞いて買ってみました(後で判ったことですが、家では既に24歳になる子供が2ヶ月も前に読み終えていたとの事、新しい物好きを自負した小生ですが「お父さん今頃・・・」と言われてがっくりしています・・・)。

 今の日本に必要なのは論理より情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神。戦後近代化の名の下に多くの"大切なもの"を気づかぬ内に失ってしまい、一億総拝金主義とも成りかねない現在の日本、誇りと自信、「国家の品格」を取り戻そう!といった提言が主題となっていました。

 立派なはずの大人の不祥事の数々、親と子供の殺し合いも当たり前、といった嘆かわしい最近の世情への改めた戒めや、トリノ五輪やアジア近隣の外交問題などで知らずと自分の国のアイデンティティを意識したり、と言った国民意識の微妙な変化も背景にあるのかもしれませんが、読んでみると何より最大2ページ程度の小見出し毎にまとまったエッセイ風の読みやすい簡単な文章、新刊でありながら680円と買いやすい文庫本スタイルの装丁、そして何より社会的には数学者、大学教授でありながら時折、・・・通常は美徳とされる「正直」だって、常に美徳であるとは限らない。
 本当のことをいってはいけない時、うそをつかざるを得ないときはいくらでもあります。私の場合、とりわけ女房の前でそれが多い気がします。とか、・・・品格なき筆者による品格ある国家論、という極めて珍しい書となりました(以上本文より引用)。

 等々といったユーモアたっぷりの飾らない自然な文体、にじみ出る嫌みのない筆者の気さくな人柄が随所に感じられ、読み易く、或いは多くの人の共感を得たからかも知れません?

<飲食業の潮流>
〜町角で知ったビックリ現象・・・中国人観光客のお目当ては?〜

街角で知ったビックリ現象、新宿周辺、中国人観光客のお目当ては・・・なんとラーメン屋さん!!
 
 すずや新宿店の一階入り口付近には、場所が良いせいか毎日夕方ともなると多くの外国人観光客の団体(中国、台湾、香港等からの女性グループやファミリー客中心)が集まります(見かけでは全く見分けがつきません、勿論我々共)。
 これは店の前が、大型観光バスが迎えに来る待ち合わせ場所になっているからです。このバスを待つ間、「歌舞伎町入り口」と書かれた大きなアーチや、たくさんのネオンが並ぶ街並みを背景に、皆で楽しそうに記念撮影を行っています。きっといろいろな意味でのエネルギーが溢れるこの街のパワーに、同じアジアの同胞として何らかの親しみやすさや共感を感じているからなのであろうと思います。
 そして集合時刻ともなると、数年前でしたら皆、手に手に持ちきれぬほどの"ヨドバシ"や"ドンキー"の大きな袋を抱えていたものですが、この1〜2年はどこかで買い物をしてきた様子はほとんどありません。(もはや我々日本人が過ぎてきたのと同様)単なる"モノ"への執着が終わったのでしょうか??
 それにしても約2時間余り、添乗員の引率もなくこの歌舞伎町周辺に放置され、一体何処に何をしに行っているのでしょうか?みんなで風俗店かな??・・・まさか、等々と考えてみたのですがあるはずもなく、思い切って団体の一人に質問をしてみました。・・・が、言葉が全く通じないためにわからないまま、さらに半年間程、悶々としておりました。

 地元の人達の中にも知る人は無く、戦前より3代に渡りこの街に生まれ育った小生としては、いよいよどうしてもこの疑問を放ってはおけないところまできてしまいました。
 そこでまた意を決して、ある日再度疑問解明を試みてみることにしました。こちらも迎えに来るバスを待ち、そのバスから(短時間に団体客をピックアップする為に)忙しそうに旗を持って降りてきた添乗員風の中年女性に走り寄って(この人ならなんらか言葉が通じるであろうと)唐突に質問を投げかけました。
 中国人添乗員風の女性は初め不審に思ったのか、びっくりして警戒した様子でしたが、やがて事情を理解するとわかってくれ、ついに教えてくれました。
 「一応新宿周辺での買い物を目的とした自由行動です、が・・・最近は皆ラーメンを食べに行っているのですよ」と、??なぜ中国人の方が日本に来てわざわざラーメンを食べにいっているのか??はじめは理由が理解できず、キツネにつままれたような感じでした。
 やっと知った答えの意味が分からない。そこで、最近中国進出を計画中のとある同業社長に話してみると、「そう、上海や北京でも日本から進出したラーメン専門店が大繁盛しているよ」とのこと「もともとラーメンは日本の食べ物、中国にも数年前までラーメンはなかった。特に豚骨しょうゆ味が人気で中国都市部ではそれが思いっきり受けている」との事でした。
 「そうであったのか・・」その後、実際に観光客グループを追跡調査してみると、確かに彼らは小グループ単位に別れてそれぞれ、かつては全国で一世を風靡した「坂内」(会津喜多方)、「神座(かむくら)」(大阪)等の歌舞伎町進出有名店や、この数年着々と新宿周辺に集積している全国各地のラーメン専門店群の中から、ガイドブックを片手に(上海ウォーカーというのも見かけた??)、和風豚骨の「味千」(熊本)、「わ蔵」(博多)、「屯ちん」(池袋)等々話題の各店に入って行くのでした。

 日本の大衆食の底力にはいやはやびっくりしました。

 

<とんかつやが選んだとんかつや>
〜低価格+吉野家スタイルカウンター・・・でも親父がいる店〜

普通「入りやすい店」というと別に床がバリアフリー対応だとか扉が自動ドアとかいうわけではありません。「価格が安いこと」これを「入りやすい店」というのであると思います。

 ロースかつ定食680円(税込714円)、ひれかつ定食780円(同819円)かつ丼470円(同494円)他メニューは約8品目すべて低価格。目黒の名店“とんき”をどことなく思い起こさせるカウンターのみのシンプルな店。24席

*とんかつ専門店 東京とんかつ池袋店 東京都豊島区西池袋1-25-2 池袋北口駅前
電話03-5950-8550 営業時間10:30〜03:00無休

 ※既に閉店してしまったようです

第22号 –完–
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