とんかつ通信とんかつ通信

  1. トップページ 
  2. >
  3. とんかつ通信 
  4. >
  5.  第14号

とんかつ通信(不定期刊行物) 第14号

編集・発行すずや店主(軽薄?敬白?)

<はじめに>

皆様こんにちは。本日も星の数ほど多くある飲食店の中から、私ども「すずや」をお選びくださり誠にありがとうございました。従業員一同心から厚く御礼申し上げます。
 今後も皆様の御期待に応えられますように、更に味やサービスの向上に努めて参ります。

<最近思うこと>〜ワールド杯に人が引きつけられる理由(わけ)〜

「結局世の中が疲弊し、すさんでしまって、他に熱中できるものがなくなってしまっているんじゃないですか?熱意を注いでも決して裏切られないと言うか、信じられる物が他に無い、いかに日頃の社会や生活が白けているかの、反対の現れだと思います・・・」
 過熱気味の人気に対して、こんな評論家の記事を雑誌で読みました。どう思われますか?
 さて、サッカーワールドカップのひのき舞台で世界の強豪と互角に戦うようになった日本チームの敗退はとても残念で仕方がありませんが、反面、我々飲食業界からしてみますと正直ほっとしています(熱心なファンの方お許しください)。
 何せ試合のある日は店の売上は半減、飲食、小売業界は全滅でプラスなのはデリバリーのピザだけといったありさまです。
 月末に向かってもしも更に勝ち進んでいっていたら・・・、情けない話ですが、実際に喜んでばかりいられない深刻な状況になっていたかもしれません。

 ともあれ、せっかく盛り上がったサッカー人気や、確認できたアイデンティティ、地域社会や友達同士の連帯感、日本を訪れてくれた多勢の外国人、受け入れの為に習った外国語、初めて歌った国家「君が代」等々が、これからの日本が活力を取り戻していく過程で何らかの糧になる事を祈りたいと思います。

 少なくとも宴のあとの虚脱感が逆のマイナス方向に作用しないように!

<ご存知ですか?>〜自分のコーヒー苗木が植えられる〜

最近ドトールコーヒーショップをご利用なさった方の中には(店内に置いてあるパンフレットなどで)既にお気づきの方もいらっしゃるのではないかと思いますが、ドトールコーヒー鳥羽社長の30年来の夢がようやく実現し、ハワイ島コナに東京ドーム16個分という広大なコーヒー豆の自家農園"マウカメドウズ"がついに完成デビューしました。

 当社も新宿本店の一階の店舗でフランチャイズに加盟させて頂いてから18年のお付き合いになり、かねがね10年余に渡りその進捗状況を伺っていたので、「ついに完成!」との知らせを頂き、今回、年に一回の「加盟店コーヒー植樹ツアー」なるものに参加させていただき、記念に農園の40cm程のコーヒーの苗木を植えてまいりました。

 そこは海を見下ろす広大な山の斜面に、世界中でもグルメコーヒーとして有名な高品質のコナコーヒーの農園(世界一の規模)はもとより、トロピカルな30種余りの種類のフルーツを植えた「フルーツガーデン」や、ポインセチアやブルメリアン、アンセリウム、等約100種類以上のハワイを代表する花々が競演する「フラワーガーデン」があり、他にも所々に海を見渡せるガゼボー(展望台)や、バーベキューガーデン、ゴージャスなゲストハウス等が立ち並ぶ、まさに夢の楽園というか、コーヒー農園リゾートでありました。

※この夏からはドトールのお客様はもとより、一般のお客様にもこの施設を順次開放していく方針のようです。詳しくはドトール店内にパンフレットのご用意があります。

<昨今の飲食業界>〜BSE一段落、静かに店を閉める老舗〜

焼肉業界を震撼させた国産牛の狂牛病騒ぎ、雪印食品から端を発した食品の不法表示問題、世界各地で起こる鶏のインフルエンザや豚肉の口蹄疫伝染病の常態化、加工食品への無認可添加物混入事件や、中国冷凍ホウレン草の残留農薬過多事件、そして前述のFIFAワールドカップ熱・・・どの業界も決して楽ではなく皆生き残りに必死だとは思いますが、これ程までに、これでもか、これでもかと飲食業界にも雨霰(あめあられ)が続きます。

  共通して底流にあるのは、自然に対する人間のおごり、主として先進資本主義国と称される国々に蔓延した利益優先主義、大量生産・大量消費妄想、企業の消費者無視隠蔽体質、等々ではないかと思います。
 ここまで原因が推測できているのに結果として今すぐ流れに背けない私達も、ある意味間接的な「共犯者」なのでしょうか・・・?

 そんな環境の中で最近また特に「永年続けてきた暖簾を、静かにそっとおろす老舗」が目立ちます。
 下町で、銀座で、新宿でも・・・、寂しいことですが時代の節目を感じます。

 

<とんかつ屋が選んだとんかつ屋>〜とんかつ いもや〜

前述のタイトルにも書かせていただいたモダンで洒落た雰囲気と、和洋取り混ぜた創作風料理を売り物にした「ダイニング・・・」に代表されるように、最近流行の飲食店は"女性客受け"を狙ったインテリアやメニューが当たり前となっている。
 そんな風潮の中で古くからの店でありながら、今時かえって新鮮な"男のとんかつや"「いもや」をご紹介したい。

  神田神保町の交差点からほど近い小さな交差点角にその店はある。白い暖簾には屋号ではなく"とんかつ"と書かれている、とんかつ一本にかけた自信が窺える。
 入るとカウンターのみ22席の店内であるが、後ろの待ち椅子にまでお客様が並んでいる。
 待っている間に注文を聞かれるが、メニューも無いが迷うことも無い。九割の人が「とんかつ定食」を注文する。
 なんと言っても魅力はその価格と分厚いロース肉、ボリュームである。席についてただひたすら食べる、「おいしい・・・」とんかつ屋の原点を確認できるお店です。

 「とんかつは何gになさいますか?」「キャベツは千切りにしますか?角切りにしますか?」「お味噌汁は赤だしになさいますか?それとも豚汁になさいますか?」・・・「うるせい!俺はただとんかつを食いに来たんだ!」そんな歯痒さを味わっているあなたにぴったりのお店です。・・・勿論、同業者にも警鐘を与えてくれる大変ありがたいお店でした。

*とんかつ いもや 二丁目店 千代田区神田神保町2-48 03-3265-0922

「とんかつ いもや」の外部(食べログ)ページはこちらをクリックして下さい
 ※新しいページが開きます

       
第14号 –完–
  1. トップページ 
  2. >
  3. とんかつ通信 
  4. >
  5.  第14号