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とんかつ通信(不定期刊行物) 第2号

編集・発行すずや店主(軽薄?敬白?)

<はじめに>

皆様こんにちは。いつも当店をご利用下さり誠にありがとうございます。この時代に星の数ほどある飲食店の中から、すずやを選んでくだっさったことに心から感謝申し上げます。
 皆様の期待を裏切らぬように頑張って参ります。どうぞ宜しくお願いいたします。

<最近思うこと>〜世の中の異常気象〜

不景気、異常気象、絶えない食中毒・・根っこは同じではないだろうか?
 一見まるで違った分野の様々な出来事や、何万キロも離れた地球の反対側で起こる事件の数々もうがった見方をすれば、皆、その底流はつながっているように思ってしまう今日この頃の新聞記事です。

 昔、小さい頃聞いた話ですが、富士五湖のうちの幾つか(確か、山中湖を除く四つ)の湖は、季節ごとの水位の高低がなぜか連動しているそうです。
 はっきりと確かめようがないそうですが「おそらく噴火によって同時に誕生した湖で、底では繋がっているのだろう」とテレビで誰かが言っていました。

 放火事件やテロ事件のように同時多発的に、あるいは同じような手口で誰かが引き起こした事件ならば、例え犯人逮捕がままならなくても「同一犯(あるいは集団)の仕業に違いない」なんて素人の私達でも推測できることがありますね。
 しかし、例えば、長引く不景気、梅雨入り前というのに春から続くこの暑さ(何でも4月の東京の平均気温は平年を2.2度も上回ったとか)、或いはもう死語になりかけていた病気 =赤痢、の集団感染 等々、見ようによっては何の脈絡もないような昨今の出来事ですが、今朝何気なく新聞をめくっていて、フッと私は見えないメッセージを感じたのです。・・・考え過ぎとも思いますが・・・。

 それは、何かもう今の人間の力ではどうにも思うようにならないことが、実はこの世にまだいっぱいあるのだと。その未熟さや、思い上がりをきちっと受け止めて、「もっと謙虚に立ち返りなさい・・・」と、言われているのではないでしょうか・・・?

 小は遺伝子の解明から、大は宇宙への探査まで文明の利器=科学を自在に操ってきた我が先進の人類も、不景気一つ治せないわけです。きっと「まだわからないのか」とわかって考え方や行動が変わるまで、身近な試練は繰り返し続いていくのではないでしょうか。

 

<とんかつ屋が選んだとんかつ屋>〜椿(成城学園)〜

前回の目黒「とんき」に次ぐ第二弾は、小田急線成城学園前駅から歩いて10分程のところ、閑静な住宅街の真っ直中にある「椿」(つばき)さんを推薦させていただきたいと思います。

 前回にもお伝え致しましたが、この欄では、同業者の立場から見た推薦店と言うことで、その推薦理由も決して「とんかつが美味しいから」等という平凡な理由からとは限りません。
 とんかつのおいしさもさることながら、例えば前回の「とんき」さんの、その店内の"クリンリネス"=業界用語で"ピカピカに磨き上げられた様子"が素晴らしい、と言ったように、ちょっと別な視点も加えてみたいと思っています。

 そういう意味でこの「椿」さんの素晴らしさは、とんかつ屋にとって場合によってはとんかつの味以上に大切な物(・・・何かおわかりですか)へのこだわりではないかと私は思っています。
 ・・・それは、ご飯、味噌汁、おつけ物、の美味しさです。この当たり前のようなことを維持していくことが、実は以外と難しいのです。

 お客様の皆様にとっては意外なことと思われるかもしれませんが、(普通、メインの料理の調理の方が難しいのでは?と感じられているのではないですか)これら「当たり前の物を当たり前の状態で提供すること」こそ我ら店側が最も注力を注がなければならないことだと思っています。

 なぜならばまず第一に「お店に来店した全員が例外なく口にする」と言うことです、つまりメニューが5種類あれば、単純な話Aと言うメニューの料理は五人に一人の方が口にするだけだが、ご飯の方はそうはいかない・・と言うことです。
 すべてのお客様から問われるわけです。

 そして第二は「味がごまかせない」と言うことです。もし仮に、とても変わった味付けをして肉の味や、とんかつの味をごまかせたとしても、ご飯の味はごまかしようがありません。
 皆、小さなときから食べ慣れていますし、もしまずいご飯を出してしまったら、すぐに言われてしまいます「これなら自分の家で食べた方がましだ」と、比較しやすいのです。

 第三には、実はこれが私が言うのも恥ずかしい内輪のお話なのですが、腕の立つ調理の職人さんが、自分でする事を嫌がる仕事なのです(一般の職人さんの世界では、飯炊きや漬物の世話=ぬかは生きている・・は、新米や見習にさせる慣習があるのです)。

 例えば炊飯技術や漬物のつかり加減は前記のように、本当は一番影響力のある、そして且つとても微妙な調整が必要な年季の要る仕事なのですが、自分が見習のときにやらされた・・と言う体験に基づく理由だけでお客様にとって一番大切な作業を、最も経験の浅い人にさせているのです(本当の一流の料理人さんはこうではないと思いますが)。

 話がすっかり横道にそれてしまいましたが、「椿」さんはお新香(売り切れ注意)が特筆で、また食後に出てくる玄米茶の締めくくりにも象徴されるような、実に後味の良い良いお店だと思います。

*「椿」(つばき) 小田急線成城学園前駅から歩いて10分 予算2000円 月:定休03-3483-0450

「とんかつ椿」のオフィシャルページはこちらをクリックして下さい
「とんかつ椿」の外部(食べログ)ページはこちらをクリックして下さい
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<すずやが今考えている事>〜栄養バランスの採れた食事を提供したい〜

言うまでもありませんが一人の人間にとって必要な栄養素は数限りなくあるのだと思います。しかしそれは解っていても毎日忙しく時間に追われる我々は、一日三度の食事でさえままならないことがしばしばです。ましてその都度必要な栄養が満たされているかなど、思いを巡らすことすらないのが現実ではないでしょうか?

 「外食続きで体調を壊した」すずやはこんな事には絶対に加担したくはありません。

 せめてもとお味噌汁には旬の野菜2種類ががたっぷりと入っています。そしてお変わり自由の漬け物、浅漬けもたくさん召し上がって下さい。それでもまだ日頃の野菜不足をすずやで補いたい方は、とんかつに付いた付け合わせのキャベツを何杯も何杯もお代わりして下さい。
 特にお奨めなのは、名物とんかつ茶漬けなどに盛られているすずやならではの、茹で炒めた甘ーく、柔らかーいビタミンたっぷりのキャベツです。勿論、契約して下さった農家さんが、指定の品種を有機農法で育ててくれた、苦心の逸品です。

 キャベツは言うまでもなく、ビタミンCの含有量では他の野菜と比べて群を抜いています(レタスの約8倍、セロリ、玉ねぎの7倍)。これで1日の必要量は満たされます。
 その上胃潰瘍などに有効と言われるアミノ酸の1種で、メチオニン、スルホニウム、クロライドが微量に含まれています。
 これはビタミンUとも呼ばれるもので、現在は合成されて、特効薬にもなっているくらいです。
 この他、野菜の効用の一つカルシウムも、体液の浸透圧を維持するのに大切なカリウムも葉菜の中では共に多い方なのです。ご存じでしたか?栄養のバランスを考えすずやで野菜をたっぷりと食べていって下さい。

       
第2号 –完–
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